Takashi IKEMATSU

ヘッドハンターが一押し!都内近郊ミーティングスポット9

ヘッドハンターは業界内で評判が高い方とお会いすることをルーティンワークにしている。お会いする方は年間で数億円の売上をつくるスーパー販売員から有名ブランドの経営者までさまざまだ。

私のヘッドハンティング経験は12年となりました。大事な商談は、場所や雰囲気によって結果が大きく左右すると何度も感じたことがあります。数えきれないミーティングを行った経験から、都内近郊のおすすめミーティングスポットで野球の打順を組んでみました。ヘッドハンターのおすすめスポットをぜひご覧ください。

都内近郊のミーティングスポット・オールスター

●1番 ガーデンラウンジ坐忘 セルリアンタワー東急ホテル(渋谷)
渋谷の定番、10割バッター。
便利な立地、天井が高く開放感あり、隣の席との間隔が適度である。土地柄なのか、IT系企業の方が多く利用している。

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●2番 グッチカフェ グッチ銀座店(銀座)
銀座の穴場、ミスのないバント職人。
混雑することは稀、ラグジュアリーブランドが運営しているためサービスが良い。近年はインバウントの影響でお客が増えてきている。

●3番 フィオレンティーナ グランドハイアット東京(六本木)
外国人の御用達。助っ人外国人。
英語サービスOK、食事のメニュー豊富、朝9時からオープン。外国人エグゼクティブが商談で頻繁に利用している。

●4番 ピークラウンジ パーク ハイアット 東京(西新宿)
ベストオブトーキョー。新宿のホームラン王。
最高の景色、周りの会話が一切気にならない、ソファなどのインテリアが上質。おすすめは夕暮れ時のミーティング調整。日が暮れた景色も楽しめ、商談が上手くいくこと間違いなし。

●5番 アトリウムラウンジ ANAインターコンチネンタルホテル東京(溜池山王)
溜池山王の人気スポット。チャンスに強い打点王。
天井が高く開放感あり、隣の席との間隔が適度、ホテルラウンジには珍しく喫煙席を設けている。音楽好きには好印象、夕方には生演奏の時間帯あり。

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●6番 カフェラウンジ パンドラ 雅叙園(目黒)
目黒の異空間。安定感があるベテラン選手。
混雑することは稀、窓から流れる滝や池に泳ぐ錦鯉が見える落ち着いた雰囲気。目黒駅から行人坂を下って約徒歩3分だが、帰りは急な上り坂がある。

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●7番 レストランラウンジ アンクルハット スパイラル(表参道)
表参道の隠れた穴場。必殺仕事人。
おしゃれな空間、お客がすくなく混雑している可能性はゼロ、むしろ静かすぎる時がある。個人的に良く利用、某ラグジュアリーブランドも面接場所に利用している。

●8番 ラウンジ&バー「サウスコート」 小田急ホテル(新宿)
新宿で唯一の駅近スポット。ユーティリティプレイヤー。
地下鉄新宿駅「A1」出口より徒歩1分、20階で眺めがよい。人気スポットなので混雑していることと、スペースが狭いのは難点だが、窓側の席であれば快適。

●9番 エーバルーン・オフィス 伊万里南青山ビル(表参道)
最後は会社の宣伝。
鉄板によりオブジェのような外装仕上げ、ソニー創業者の盛田昭夫氏の旧邸宅場所。是非お越しください!

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相手を軸としたミーティングスポット選びを!

仕事で結果を出すには、優良な方と仕事をする、徹底的に事前準備をする、そしてミーティングを行う場所は厳選し、相手にとって最高の環境を選ぶことが重要だと感じます。“最高の環境”は人それぞれ価値観が違うため、一般の珈琲チェーン店でエンジョイする方もいれば、最高の雰囲気、サービス、立地などの良い条件を好む方もいるでしょう。

相手のことを考えミーティングスポットを選び、場所によって仕事の成果の違うことを体感してみてください。

Takashi IKEMATSU

アメリカ留学時代,古着屋のディーラーを経験。 国内の紹介会社を経て、2008年にエーバルーンコンサルティングを設立。 主にエグゼクティブのサーチやM&A案件を担当。

華麗なイグジットに向けて。イグジットの種類を解説

 

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2016年11月1日に「マウジー」や「スライ」を展開するバロックジャパンリミテッドが東証一部に上場した。ファッション関連のIPOは、2015年9月にマザーズに上場したSTUDIOS(現Tokyo Base)以来となり、全体的に売上が低迷しているファッション業界にとっては明るい話題となった。

バロックジャパンリミテッドは上場によって事業資金を得ることができ、すでにエンフォルドやマウジーがニューヨック初出店するなど海外展開を進めており、今後さらなるグローバルな事業拡大が期待されている。

IPOは、経営者やファンドなどが投資をした資金を回収する「イグジット」と呼ばれる区切りでもあり、出口戦略のひとつとされている。景気の変動や市場の変化などさまざまな経営リスクに備える戦略として考えられるイグジットをいくつかご紹介する。

①親族内継承
親族内継承は、日本の中小企業で一番多いと言われている。
会社を自分の子どもや親族に継がせたいと世襲を願う経営者は多く、従業員に経営を継承する難しさからも、親族内継承が一般的になっている。親族ではない従業員を後継者にする場合は、後継者となる従業員が株式を取得する資金を用意する必要があり、それがハードルになることがある。

②IPO
IPO(株式上場)は経営者の憧れのひとつ。
厳格な基準を満たし厳しい審査を通った企業のみが与えられる権利であり、上場といった経営者の憧れを達成するには大変な苦労と準備が必要だ。

ファッション業界に特化した求人サイト「Fashion HR」を運営するキャリアインデックスは、2016年12月14日に東証マザーズに上場が決定した。経営者、関係者の方々の相当の努力があってのことで、簡単に上場が叶うことはない。

経営者は、IPOまでに投資した資本の一部を回収し利潤を得ることができることが出口の要素となるが、IPO後も経営から退くことはなく、新たな株主からさらなる成長を期待されることになる。

③M&A
イグジットと呼ばれるもっとも相応しい出口戦略はM&Aだ。
実際にIPOよりも圧倒的に数が多く、IPOは経営者が継続して経営が行える一方で、M&Aでは経営権を買い手側へ譲渡し、経営から離れるといった出口的な意味を持つ。

M&Aは、IPOに比べると事前準備や必要経費が少ないためハードルが低いこと、資本をもつ大企業が成長戦略の一環として新規事業や技術を買う方法としても盛んになっている。経営者はM&Aで経営権を手放し事業から離れる選択をする、もしくは経営権を失っても代表者として引き続きビジネスの成長に関わるケースもある。

④MBO
所有と経営が分離した会社で会社経営陣が事業の継続を前提として自社などの株式を取得するMBO(マネジメント・バイアウト)。元の会社の所有者(株主)からの観点でイグジットの方法の一つと言われている。

ファッション最大のEC「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイが2013年7月に「STORES.jp」を運営するブラケットをM&Aで完全子会社化したが、2016年10月にブラケットはスタートトゥデイから株式を100%取得するMBOを実施している。所有と経営を一致させることを目的とすることがMBOであり、元の所有者はイグジットし、新たな所有者兼経営者は、事業の目標に邁進することになる。

「ビジネスの継承を考えることも、経営者のミッション」といった覚悟が必要だ。
親族内継承、IPO、M&A、MBOなどのイグジットをした場合でも、そこが出口ではなく、そこから新たなビジネスや事業をスタートする経営者も多い。
イグジットで成功された経営者を、「華麗なイグジット」と表現する言葉があるが、戦略としてさまざまな出口あることを知っておくとよいだろう。

Takashi IKEMATSU

アメリカ留学時代,古着屋のディーラーを経験。 国内の紹介会社を経て、2008年にエーバルーンコンサルティングを設立。 主にエグゼクティブのサーチやM&A案件を担当。