クランボルツに学ぶキャリア形成のポジティブ理論とは
皆さんこんにちは。日に日に夏がもうすぐそこまで来ている事を感じさせる5月、いかがお過ごしでしょうか?5月はGWもあり、普段会えない人に会えたり、普段は行けないような場所に行ったりする機会も多かったのではないでしょうか。そして、そうした出会いの中からこれからの自分のキャリアのヒントを得られた方もいれば、逆に焦りを感じられた方もいるかもしれません。今日は、そんな貴方に「理想のキャリアを手にする方法」をお伝えしたいと思います。
突然ですが「計画された偶発性理論」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?これは私が10年ほど前に当時の上司からアドバイスとして教えてもらった理論なのですが、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授によって提唱された考え方で、「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」という考え方をベースに、ポジティブにキャリアを切り開いていくという内容です。この考え方については、海老原嗣生氏の著書「クランボルツに学ぶ夢のあきらめ方」でわかりやすく身近な事例を元にまとめられていてお薦めです。
簡単に説明をすると、人のキャリアはそのほとんどが何かのきっかけをもとに築かれていて、きっかけの連続が今の自分を作っていて、これからの自分を作っていくという内容です。
皆さんの今の仕事についたきっかけを振り返ってみてください。
「憧れの人の影響で」
「家族の影響で」
「友人・同僚の影響で」
「周りに褒められたことがきっかけで」
「人から勧められたことがきっかけで」
そのきっかけはひとそれぞれだと思いますが、元を正すと、必ず何かしらのきっかけがあって今の仕事に就いていたり、夢を追いかけていたりすると思います。つまり、どれだけ多くのきっかけを手にするかが、キャリアの充実度に比例するのです。
頑張っても夢は実現しない!?
先ほど紹介した著書の中では、「夢は実現しない」と明言されています。このワードだけを見るととてもネガティブな印象を受けますが、実はこの言葉の裏にはとてもポジティブな内容を含んでいます。
ファッションに例えてみましょう。10年前の服、コーディネートそのままで今着れますか?結構恥ずかしくて封印したくなりませんか?(昔の写真を見返すとその時のファッションが赤面物だったりすることも多いずです) つまり、ファッションの道を突き進んだ事により、ファッションを仕事にしなかった人と比べ、より多くのファッションに触れる機会が増え、感性が磨かれ続けてきた結果、洗練された今のスタイルにつながっているのです。今一度キャリアに話を戻すと何か夢や目標に向かって突き進んで行くと、今までは知りえなかった情報や、会えなかった人、考え方に触れることが増えていき、それらによって、更にもっとこういう姿を目指したいという風に夢や目標がアップデートされていくという構図と全く同じことなのです。
「夢は実現しない」というのは、その道を突き進むことが新たなきっかけを生み、夢が昇華され続けていく、つまりポジティブな意味で夢や目標が変化し続けていくという意味で実現しないという事を言っています。逆に新たなきっかけに触れず、狭い視野のままで夢を考えてしまうと、古い感性のまま夢が輝きを失っていってしまう(現実的ではなくなってしまう)ことが多いように思います。前章で述べた「きっかけの多さはキャリアの充実度に比例する」というのはまさにこのこと。逆説的に言えば、多くのきっかけを手にできれば、今の自分では想像できないような充実したキャリアを手にすることができるといえます。
やりたいことが見つからない、という相談も良く受けますが、やりたいことを探すのではなく、理想とする人(姿)を考えてみて、まずはその理想に近づくことを考えることがスタートです。そうする事でまずは今の自分に何が必要かが見えてきます。そこが見えてきたらそれを実現する為に一歩踏み出してみることが大切です。何歩も歩を進めることで景色が変わります。そうした景色の移ろいを楽しみながら、歩を進める中でやりたいことが見えてくるはずです。そしたらその道へ更に歩を進めていく。この繰り返しです。その先には必ず貴方にとっての理想とするキャリアが待っているはずです。
一度自身のキャリアを振り返ってみて、未来の自分へと踏み出す準備をしてみてはいかがでしょうか?